第29話 神木 VS 亮

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前回 ❨賞命首❩ ~終局~ 開始 の続き

神木「なあ!なんで逃げるんだ!?」

神木は森の中、一人の男を追っていた。その男の電撃を食らい、神木は少しばかりキレていたのだ。

神木「別にお前ら死者は死なねぇんだからさ、俺の相手ぐらいできるだろ、なぁ!?」

???「…。今テメェの相手してる暇はねぇんだよ、うぜぇからとっとと…」

男は走りながら振り返り、神木に左手を向ける。

???「消えろよ!!」

ドドオオォォォンッ!!

その手から発せられた稲妻が、神木を襲った。が、

???「…!?消えた・・・?一体どこに…」

神木「ここだよ。」

神木は一瞬にしてその男の頭上に飛んでいた。白い翼がバサバサと音を立てる。

???『な…!?こいつ、人間か!?今・・・どうやって…。』

神木「ちゃんと前見ろよ。」

???「!?」

ドシイイィィンッ!

男は大きな木にぶつかった。顔を強打したらしく、地面でうずくまっている。

神木「…お前、さては馬鹿だな?」

???「うるせぇ!」

男は立ち上がる。深く被っていたフードがはだけ、顔があらわになる。その顔は誰が見ても『亮』そのものだったが、会ったことがない神木には分かりもしない。
だが…

神木「お前の今の“雷”、誠ってやつも使ってたなぁ。」

亮「…!?」

神木「裕一って奴、仲間にいるんだけどさぁ、そいつのことは見た?」

亮「何が言いたい…。」

神木「彼らと何か関係があるんじゃないか?お前は。何故ここまで『逃げて来た』んだ…?」

亮「はっ、お前には関係ねぇ話だろ。」

神木「いいや、関係あるね。・・・・・・話さないならお前を殺す。」

亮「殺す…?俺は死者だぞ?殺すってどうやって…」

ビュンッ!!

一つの白い羽が、亮の頬をかすめる。真っ赤な線が、亮の頬に引かれていく。

神木「お、血は出るみたいだね。痛みはあるかい?…死者だからってね、死なないからってね、安心できる理由にはならないんだよ。」

神木は一つの大きな、鋭い羽を創り、先を研いでいる。

神木「『これ』を胸に突き刺して、どこかにはりつけにしたら・・・ずっと死ぬ程の痛みを味わうんかなぁ、ってさ。試す価値はあるよね…?」

亮は素直に神木の言う事を想像してしまった。そして、素直に絶望した。今、こいつと戦ってはいけないという、ここから逃げたいという『生存本能』が、『死者』である亮に芽生えてしまった。
その本能のままに、亮は口を開く。

亮「…!合わせる顔がねぇんだ…。俺は今、最低最悪な奴らの仲間なんだ…。もう誠を、奴らとは関わらせたくないんだ…。そして、出来れば俺も…!」

亮はうつむきながら話す。そしてゆっくりと神木の方へ顔を上げる。

亮「だから、お前…誠に伝えてやってくれねぇか…。俺はこっちで頑張るってさ…。」

亮の声は、少し震えていた。

神木「・・・お前、つくづくめんどくせー野郎だな…」

神木は亮に近づいていく。

亮「なっ!?・・・もう話しただろ!もういいだろ!!」

神木「ああ、俺に関係ねぇ話だったしなー、だけどここからはなぁ・・・
さっきくらった電撃のお返しさ。」

ドウウゥンッ!

神木は亮に飛びかかり、羽の剣を振りかざす。

死。

死者の亮の頭にはその一文字だけが浮かんだ。
しかし…

ドシュウゥゥン!!…

神木『・・・消えた!?』

亮は、神木の目の前で、忽然と消えたのだった。
神木は予想以上の出来事に唖然とし、その場で立ち尽くしていた。

神木「…」


次回、死の牢