VS 藤崎善里

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前回 深淵への入り口 の続き


藤崎「僕が君のことを呼んだのはね…、強い君と戦いたかったからだけなのさ。一応取り引きとでも言わないと君はここに来なかっただろう?」

誠『おい・・・てめぇが・・・殺したんだな?亮を・・・。』
藤崎の言葉は、誠には届いていなかった。誠は亮の死体の傍に膝つき、顔は俯いたままである。
藤崎「ああ。僕が、殺した。」

誠【・・・そうか。】

藤崎は目を疑った。顔を上げた誠の目は黒ずんでいて、赤黒い涙が流れていた。その様子から藤崎は、誠の凄まじい悲壮感を感じ取る。そして、その裏腹に…強烈な殺意が誠の周りを渦巻いていた。
藤崎は一瞬で察知する。彼に殺される、と。生物の、正常な防衛本能が機能する。
バゴオオォォン!!!
藤崎はもう片方の手に持っていたパイプを通して、誠に爆発攻撃を仕掛ける。壁に打ち付けられる誠。

藤崎(何だ・・・今のは?奴の、今のは・・・幻覚か?)
藤崎は今まで経験したことのない緊迫感を味わう。ただ、彼は涙を流していただけだというのに・・・。

藤崎「なあ!悪魔はついてきてるんだろ?まさか本当に一人で来たんじゃないだろうな・・・?」

倒れている誠に、物陰で隠れていたボンボンが駆け寄る。
ボンボン「誠様!誠様!!」
誠の返事は、ない。
藤崎「こいつは・・・亮君は、よく戦ったよ。0時を回ってもずっと…しつこかったなあ。ただ、死んだら元も子もない。惜しいよなぁ。実に惜しい。」
藤崎が近づいてくる。
藤崎「そうだ。誠君、君の新しくなった力を見せてくれないか?私に、先の世界を見せてくれ…。」

誠のライフウォッチにアップデートは、もう来ない。次の能力なんてない。藤崎の期待は無駄なものであった。
ただ、藤崎はそのことなど知る由もない。いや、知ってたとしても、今の誠の異変はあまりにも異常であった。
藤崎は武者震いをする。
チョンチョン
藤崎「ん?何だ…まだ生きてたのか。」
藤崎の足元に、一匹のチビ悪魔がしがみついてきた。亮のライフウォッチから召喚された悪魔だった。
藤崎「目障りだ。消えろ。」
藤崎はその悪魔にパイプを振りかざす。
ボゴオォン!!
・・・手応えがない。どういうことだ?

舞い上がった砂煙が、徐々に晴れていく。
その晴れた先には、さっきまで壁にもたれかかっていた誠が、亮の悪魔を抱えている姿があった。
藤崎(バカな…!?壁と相当な距離があったのに、この一瞬で…救ったというのか!?)

亮悪魔「う、あ・・あぁ・・・。」
誠【もう大丈夫だ。心配ない。・・・お前の力、借りるぞ。】
亮悪魔「・・・え・・・?」

ドウゥンッッ!!!

悪魔を抱えている誠から、紫色のオーラが噴き上がる。辺りに振動が伝わっていく。

藤崎「何だ…?何が起こってる!?何なんだお前は!?」

誠は電気が纏った、ガラスの剣を造り出す。

誠【我はサタン。貴様の命を滅そう。】


次回、地獄の三日間編 完結