深淵への入り口

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前回 僕らの四日目 の続き


裕一「誠君…。君は安静にしてなさい。まだ傷も癒えてないだろう?」
誠「そんなこと言ったって亮のことを誰が助けるんですか!?警察ですか!?俺はそんなの待ってられない!!」
裕一「藤崎がどれだけの者か分かって言ってるのか、誠・・・。」
誠「いいや、分かんないね。詳しくは知らねぇが多分『X』の方が何倍もつええだろうよ。…俺は行くぞ。」
裕一「ちょっ、おい!!」

プルルルルル!!

突然、アジトの電話が鳴る。
誠「俺が出る。」
ガチャ
藤崎「もしもし、藤崎といいます。誠君はいるかい?」
誠「俺がそうだ。」
藤崎「・・・。亮君を助けたいかい?」
誠「ああ。今どこにいる?」
藤崎「うーん…。そうだ。××通りの路地裏に待ち合わせようじゃないか。そこで取り引きをしよう。・・・君一人で来るように。」

ブツッ、ツーツーツー

誠「行ってくる。」
裕一「一人でか!?」
誠「ああ。」
裕一「罠かもしれないぞ、誠君。」
誠「それでもいい、上等だ。」
裕一「・・・。」
裕一はもうそれ以上誠を止めなかった。
裕一「・・・!そうだ、誠君、一つ聞きたいことがある。…今日、アップデートが来たんだ。『地獄の三日間』を生き残った報酬にな。内容は悪魔の召喚が可能になること…。誠君、君には次のアップデートは来たのか…?」
誠は自分のウォッチを確認する。特に変わったこともなく、知らせなども来ていなかった。
誠「来てないよ・・・。」
裕一「・・・そうか。・・・奴と、・・・奴と同じ土俵で戦うってことだな。誠。」

誠「・・・ああ。」
怒りと恐怖が入り混じる。足がすくむ。それでも誠は歩を進めた。


・藤崎善里との取り引き
誠が先に目的地に着き、後から藤崎がやって来た。手に何か持っているようだが、藤崎との距離が遠く、暗がりだったために、それが何なのか誠には見えなかった。
藤崎「やあ!誠君。・・・覚えているかい?僕のこと。」
誠「お前はっ・・・!?」
誠は覚えていた。以前に誠が賞命首になり、逃げ延びたとき、ビルの屋上で、そいつと会っていた(詳しくはこの回を➡http://kumakuramihai.hatenablog.com/entry/2017/06/02/081849 )
誠「・・・てめぇ。亮を返しやがれ。」
藤崎「まあそう焦んないでよ。僕は取り引きをしたいんだ。・・・屋上で君と会ったときから、僕は君に惹かれていたんだ。君のそのライフウォッチが特殊だということに感動した。誠君、君は神に選ばれし者なんだ・・・。僕の仲間になってくれないか?」
誠「断る。亮を返せ。」
藤崎「即答…。うん、予想通りだ。じゃ、約束通り亮君を返すよ。」

藤崎は、その手に持っていた「何か」を引きずってくる。
藤崎「君のお望み通り。はい、亮君だよ。」
藤崎が引きずっていたのは、変わり果てた亮の体だった。全身はボロボロで、片腕はもげ、上半身と下半身はやっと繋がっている。人だと、かろうじて認識できる物だった。

誠「これ…は…?」
藤崎「死んだよ?うん。死んだ。殺した。僕はただ誠君と戦いたいだけだったから。こんな雑魚、いらない。返すよ。」


誠『りょ・・・う・・・?』


次回、VS 藤崎善里